突然ですが、「栗(クリ)」は、「果物」か、それとも「野菜」なのか、どちらの分類だと思いますか?

ちなみに英語で栗(クリ)は、chestnut(チェストナッツ)で「ナッツ類」に分類されるようです。
日本では、スーパーに行くと、栗(クリ)が「果物売り場」や「野菜売り場」に置いてあったりしますよね。
栗(クリ)は、
- 縁起物の栗きんとん
- お菓子の甘露煮
- 渋皮煮
- 栗ご飯
などいろいろなレシピがある人気の食べ物。
そこで今回は、秋の味覚「栗(クリ)」についていろいろと調べてみました。
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この記事の目次
栗(クリ)に隠された謎!果物でもあり野菜でもある理由は?
ちー婆(ばぁ)は、栗(クリ)を使ったスイーツ「モンブラン」が大好きです。

栗(クリ)の渋皮(しぶかわ)がそのまま使ってあったり、甘露煮が丸ごと1つクリームの上に乗っていたり!
黄金色をしたモンブランケーキは、スイーツの王様ですよね^^
でも、栗(クリ)を美味しく食べるまでは、とても手がかかって大変です。

おそらく果物や野菜で、栗(クリ)のようにごっつい外見をした食べ物はないのでは?
ところで、栗(クリ)は「果物なのか野菜なのか」どちらの分類に入るのでしょう。
結論から言うと、栗(クリ)は「果物」の分類にも入るし、「野菜」の分類にも入る食べ物です。
ということは、「栗(クリ)は果物である」という考えも「栗(クリ)が野菜である」という考えも、どちらも正しいわけです。
それでは、もう少し詳しく「栗(クリ)の分類」について紹介したいと思います。
なぜ栗(クリ)は「果物」に分類されるの?
一般的に「果物」は、農林水産省が説明する分類方法で
- 樹木に生育するもの
という定義があります。
例えば、果物で思い出すのは、
- リンゴ
- 柿
- みかん
- ぶどう
どれも木になっていますよね。

だから、木に実がなる栗(クリ)は「果物」に分類されます。
とてもシンプルでわかりやすい理由だと思いませんか?
ちなみに農林水産省が定義する「野菜」は
- 草花で樹木にできないもの
です。
なので、「イチゴ」や「メロン」などは、樹木にならないので果物ではなく「野菜」に分類されます。
でも、もしスーパーの野菜売り場にイチゴやメロンが並んでいたら、変な気分ですよね。
栗(クリ)が「果物」ではなく「野菜」であるというのはなぜ?
スーパーでは、場合によって栗(クリ)が「果物売り場」や「野菜売り場」と配列場所が違います。
なぜかというと、生物学上の分類とは別に、食品分類上の理由が関係しているからです。
食品分類上の「果物」というのは
- 何も調理しない状態でも甘くて食べることができる植物や果実
です。
「栗(クリ)」を何も調理しない生の状態で食べることができるか?
生食の栗(クリ)は、木の実の味がして決して甘くて美味しいとは言えませんよね。
栗(クリ)の食べ方は、
- 茹でたり
- 焼いたり
- 蒸したり
など調理して食べるのが普通です。

だから、「栗(クリ)」を食品分類の定義に当てはめると、「果物」ではなく「野菜」ということになります。
スーパーの商品売り場で「野菜売り場」に並べられているのは、食品分類の視点から見ているから。
他にも、イチゴやメロンも食品分類上で考えると、野菜ではなく「果物」です。
樹木に実がならないけれど、生で食べても甘くて美味しく食べることができますよね。
ということで、もう一度まとめると…
「栗(クリ)」は分類方法によって、「果物」や「野菜」に分類されます。
ちなみに、「栗(クリ)」は、両方の性質を持つため「果実的野菜」と分類されることもあるそうですよ。
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栗(クリ)にはどんな種類があって特徴や見分け方は?
栗(クリ)は、「ブナ科クリ属」で、寒い季節になると葉が落ちてしまう「落葉樹」です。
そして、栗(クリ)は、大きく4種類にわけることができます。
- アメリカ栗(北米)
- 西洋栗
- 中国栗
- 日本栗
その中で、日本栗を他の栗(クリ)と比べてみると、次のような特徴があります。
- 木は高くないが、黄色い果肉の大きな実がたくさん収穫できる
- 実にアクが少なく、粘り気があって水分が多い
- 渋皮が、はがれにくいので剥きにくい
ちなみに、渋皮が剥きにくいのは、ポリフェノールの一種であるタンニンが多く含まれているからです。
以上のような特徴がある日本栗は、茹でたり蒸したりして食べると、より美味しさが引き立ちます。
ところで、日本栗は昔から野山に多く自生していて、木の実として縄文時代から食べられていました。
「芝栗(しばぐり)」という種類で「山栗(やまぐり)」とも呼ばれ、栽培されている栗(クリ)よりも実が小さいのが特徴です。

(芝栗)
次に日本国内の栗(クリ)の種類を紹介すると…
現在多くの栗(クリ)が栽培されていますが、収穫の時期で3つの種類に分かれます。
1 早生栗(わせぐり) 8月末から9月下旬
早生栗の種類は
- 丹沢(たんざわ)
- ぽろたん
などがあります。
特に、「ぽろたん」は、最近品種改良され、電子レンジでも渋皮が簡単に剥ける栗(クリ)です。
そして「ぽろたん」の産地は、茨木県が有名です。
2 中生栗(なかてぐり) 9月下旬から10月中旬
中生栗の種類は
- 筑波(つくば)
- 銀寄(ぎんよせ)
- 利平(りへい)
などがあります。
この3種類は、日本栗の代表的な種類です。
特に「筑波」は、日本で最も多く栽培されている栗(クリ)です。
3 晩生栗(おくてぐり) 10月上旬から10月下旬
最後に、秋も深まってくる時期に収穫できる栗(クリ)が
- 岸根(きしね)
などです。
この栗(クリ)の特徴は、味や品質が良く、大きな実に育ちます。
このように、日本の栗(クリ)は、世界的にも味がよく、様々な特徴を持った種類があります。
夏の終わりから秋にかけて収穫される秋の味覚「栗(クリ)」。
自分のお気に入りの「栗(クリ)」を見つけてくださいね^^
果物と野菜に分類されるから栗(クリ)は栄養たっぷり!美味しい食べ方と見分け方は?
「栗(クリ)」は、イガイガのトゲがある皮(殻斗:かくと)で覆われています。
秋になると栗狩りを楽しむ人も多いかと思いますが、このトゲで苦い思いをした人いませんか?
栗(クリ)は、イガイガのトゲで周りの虫や動物たちから、中の実を守っています。
さらに、トゲの下には、鬼皮(おにかわ)と呼ばれる固い皮や薄い渋皮(しぶかわ)もありますよね。
ところで、私たちが食べている「栗の実」は、栗(クリ)のどの部分だと思いますか?
栗(クリ)の「果実」?
炊き込みご飯やパフェ、羊羹、ソフトクリームなど大活躍の「栗(クリ)」ですが…
食べている部分は、皮を剥いた中の実「栗の種(たね)」です。
普通、果物でも野菜でも、種は捨てて、果実を食べますよね。
では、「栗の果実」は、どの部分かというと…
なんと、固い鬼皮や渋皮の部分が「栗の果実」です。

ということで、当然ですが「栗の種」には、栄養がたっぷり!
特に栗(クリ)には、多くの糖質が含まれています。
栗(クリ)と似たような味がする「さつま芋」よりも、栗(クリ)は糖質が多い食べ物です。
わかりやすく言うと、ごはん約1膳(100g)と栗(クリ)約3個(100g)で、同じくらいになります。
だから、栗(クリ)をつい何個も食べてしまうと、カロリーが高くなってしまうので要注意です。
栗(クリ)を食べ過ぎてしまうと、便秘になったり、逆にお腹を壊してしまうこともあります。
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栗(クリ)の美味しい食べ方は?
お祭りの屋台で美味しそうに焼けている天津栗をよく見かけますよね。

天津栗のような焼き栗は、皮が剥きやすく粘り気の少ない中国栗が使われています。
では、日本栗の美味しい食べ方は…
日本栗は、大粒でアクがなく甘味があるので、「茹でる」のが一番おいしい食べ方です。
ここで、美味しい栗(クリ)のゆで方を紹介すると…
-
- 栗(クリ)はサッと水洗いして、一晩水につける
- 鍋にたっぷりの水と塩少々を入れ、火にかけ沸騰させる
- お湯が沸騰したら栗(クリ)を鍋に入れ弱火にして、30分から40分くらい茹でる
- 茹でた栗(クリ)はすぐに取り出さず、お湯が冷めるまでそのままにしておく
ちなみに、栗(クリ)を茹でるときにミョウバンを少し加えると、渋皮が剥きやすくなるようです。
ミョウバンは、手打ち麺のコシを出すために使われたり、漬物を作るときなどにも使われています。
茹でた栗(クリ)を冷凍すると長期保存することができ、食べるときには再加熱すればOKです。
美味しい栗(クリ)の見分け方は?
最後に美味しい栗(クリ)の見分け方を紹介したいと思います。
栗(クリ)は、できるだけ表面の鬼皮に張りと光沢があって、丸みのある形がベスト。

買うときに手に持つことができる場合は、ずっしりとした重みがあるのが新鮮な栗(クリ)です。
収穫してから時間が経っていると、栗(クリ)は、乾燥して軽くなってしまいます。
表面に小さな穴が開いていたり、黒っぽい傷がある栗(クリ)も避けましょう。
栗(クリ)の中に虫が入っている場合があります。
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まとめ
ちー婆(ばぁ)が栗(クリ)について調べようと思った理由は…
「栗(クリ)は果物なのか野菜になるのか?」という単純な疑問からでした。
でも好奇心で調べていくうちに、他にもいろいろと栗(クリ)についてわかりました^^
調べたことをまとめてみると…
- 栗(クリ)は果物にも野菜にも分類される食べ物
- 新種の栗(クリ)「ぽろたん」は渋皮が剥きやすい
- 栗(クリ)の種は糖質が多く食べ過ぎるとカロリーが高い
- 日本の栗(クリ)は茹でて食べると美味しい
- 鬼皮に光沢があり丸くて重い栗(クリ)を選ぶ
さて、スーパーに行けば、一年中買える果物や野菜が増えてきましたよね。
でも、栗(クリ)は瓶詰などの加工品もあるとはいえ、旬の生栗を食べることができるのは「秋」だけ。
結局、「栗(クリ)が果物でも野菜でもどっちでもいい!」と思いませんか?
今年も、秋の味覚として、美味しい栗(クリ)を大いに楽しみましょう!
※ 参考記事
⇒【トマト】甘いフルーツトマトやミニトマトの品種は?栽培方法で糖度が変わる!