生活

【雨の降り方の表現】日本文化が生んだ美しい45の呼び名

[char no=”2″ char=””]こんにちは、雨が降る日もいいなと思う、ちー婆(ばぁ)です。[/char]

なぜ雨の日もいいなあと思うのかというと…

日本語には「雨の降り方」と言っても、たくさんの表現の仕方があることを知ったからです。

例えば、天気予報でよく耳にする突然の大雨「ゲリラ豪雨」も、和名では「鬼雨(きう)」と表現するんですよ。

「ゲリラ豪雨」よりも「鬼雨」の方が、同じ雨の降り方でも、より日本語らしい表現だと思いませんか?

というわけで今回は、そんな雨の降り方の表現方法の中でも、ちー婆が選ぶ日本の文化が生んだ美しい45個の雨の呼び名を紹介していきます。

降り方ひとつひとつに名前がある事を知っていると、退屈な雨の日も、きっと楽しくなると思います^^
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【雨の降り方(大雨~小雨まで)】強さで変わる11の表現

傘も全く役に立たなくて、服がびしょびしょにぬれてしまうような雨…

そんな雨の降り方を何と表現しますか?

一般的な雨の名前では「大雨(おおあめ)」とか「土砂降り(どしゃぶり)」などと言いますよね。

 

ちなみに、「土砂降り」の「土砂」は、当て字なのだそうです。

実際に空から土や砂が、ドバーッと降ってきたら大変ですよね。

 

「土砂降り」を国語辞典で調べてみると…

「どしゃ」は「どさくさ」の「どさ」と同じ意味を持つ表現で、「突然の出来事で混乱すること」を表しているそうです。

 

確かに、周りが混乱した状態の中で「どさくさに紛れて…」なんて表現が日本語にはあります。

だから「土砂降り」は、「びっくりするくらい急に降ってきた強い雨」という意味になります。

日本語って、本当に奥深いし、ユーモアもある表現をするなと思います。

ということで、ここでは、大雨から小雨まで「雨の降り方の強さ」によって違う表現を紹介します。

【雨の降り方】強い雨の異なる5つの表現

 

1.「大雨(おおあめ)」

普段の会話でも「今日は大雨だね」とよく使う表現ですが…

気象用語では「災害の恐れがある雨」という意味で使われています。

特定の時間内に多量に降る雨のことを「大雨」と言うのですが、何ミリ以上とは明確に決められていません。

気象庁では、大雨によって災害が発生する恐れがあると予想された場合「大雨警報」を発表します。

 

2.「強雨(きょうう)」

「強雨」という雨の種類は、気象庁では「強い雨」という表現で使われています。

雨の降り方が「1時間に20㎜以上30㎜未満の強さで降る雨」です。

傘をさしていても、濡れてしまうのが「強雨」のイメージ。

 

3.「豪雨(ごうう)」

短期間に激しく大量に降って「災害が実際に発生している」雨の降り方です。

「豪雨」も気象用語の種類のひとつとして使われています。

 

4.「飛雨(ひう)」

雨が風に飛ばされながら激しく降っている雨の降り方です。

台風の風と一緒に降る雨は、まさに「飛雨」ですよね。

 

5.「篠突く雨(しのつくあめ)」

「篠(しの)」とは、細くて群がって生える竹や笹(ささ)のことを言います。

「篠突く雨」は、竹や笹を束ねたものが空から落ちてくるかのような激しい雨を表現しています。

このように日本語には、自然の草花を比喩した表現がけっこうあるんですよ。

【雨の降り方】弱い雨の異なる6つの表現

 

1.「小雨(こさめ)」

気象庁では、1時間に雨の降る量が3㎜未満の強さで降っている雨を「弱い雨」と表現しています。

「小雨」は、数時間雨が降り続いても雨量が1㎜に達しない雨のことを言う気象用語です。

なので、雨の粒もあまり大きくなく、それほど長くない時間降って止むこともあります。

 

2.「細雨(さいう)」

「小雨」と同じような雨の降り方で、「細かい雨がしとしと降り続く」ようなときに表現されます。

 

3.「微雨(びう)」

「微雨」も「小雨」と同じような雨の降り方ですが、「雨が降っても地面がすぐに乾く程度の微妙な雨」です。

雨が降ってもすぐに止んでしまうことも「微雨」と表現します。

 

4.「疎雨(そう)」

「疎雨」の「疎」という字には「疎い(うとい)」や「疎か(おろそか)」という意味があります。

なので「疎雨」は、雨の合間がまばらで、小さな雨のしずくがポツポツと落ちてくるような雨を表現しています。

 

5.「霧雨(きりさめ)」

「霧雨」は気象用語にもなっています。

雨粒の大きさが0.5㎜未満で、霧のように細かい雨がサーッと降っているようなイメージです。

傘を差さなくても歩けるくらいですが、いつのまにか衣服がしっとりと濡れてしまう雨。

 

6.「小糠雨(こぬかあめ)」

「糠(ぬか)」は、お米を精米するときに取れる外側の皮と胚芽(はいが)の小さな混合物です。

米糠(こめぬか)のように細かい雨が、音もたてずに静かに降っている様子です。

やわらかい雨の降り方なので、春や秋の雨で表現されることが多いようです。

また、傘に落ちる雨音も聞こえないくらいなので「音なき雨」という名前もあります。
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【雨の降り方】急に降ったり止んだりなど雨の変化で変わる12の表現

雨の降り方には、強く降るときと弱く降っているとき、それぞれの雨の表現が、いろいろありましたね。

でも、雨は急に降ったかと思うと、突然止むこともあるし…

反対に、ずっと降り続くこともありますよね。

ここでは、上記のように「雨の降り方の変化」によって違う表現の方法について紹介していきます。

【雨の降り方】急に降ってくる雨の異なる6つの表現

 

1.「驟雨(しゅうう)」

急に降ってくる雨のことをまとめて「驟雨(しゅうう)」と表現されています。

「驟雨」とは、雨の降り方も急激に変化して、強くなったり弱くなったり、時には急に止んだりする雨です。

 

「驟雨」の「驟(しゅう)」と言いう漢字には、

  • 馬が速く走る
  • すみやか
  • にわか、突然
  • しばしば、たびたび

などの意味があるので、雨の降り方をイメージすると、なるほどと納得できそうですね。

また「驟雨」は、大気が不安定な時に発生する積乱雲や入道雲など、夏雲から急に雨が降り出すことが多いです。

 

2.「俄雨(にわかあめ)」

「にわか雨」とひらがなで表現すると馴染みがある雨ですが、「俄雨」と漢字になると難しい?

「俄雨」は、急に降り出してしばらくすると止んでしまい、一度きりの雨の降り方が多いです。

 

「俄か(にわか)」という漢字には、

  • 物事が急に起こること、突然
  • 一時的であること

などの意味がちゃんとあります。

 

また、江戸時代に流行した「俄狂言(にわかきょうげん)」も語源のひとつです。

「俄狂言」は、にわか(急に)仕組んだ寸劇で、明治以降の喜劇や漫才の元祖になるそうですよ。

 

3.「狐の嫁入り(きつねのよめいり)」

「天気雨(てんきあめ)」と同じ状態の雨の降り方を表現した言葉です。

晴れているのに雨が降るという不思議な雨の降り方の現象を、昔から例えて呼ばれます。

日本だけでなく、イギリスやイタリアでも「狐の嫁入り」という表現があるそうです。

また、日本では狐は神様の仕えである動物なので、「狐の嫁入り」の天気は縁起が良いとも言われています。

 

4.「叢雨(むらさめ)」

「叢雨」は、雨の降り方が激しくなったり、ゆるくなったりする雨です。

「叢」という漢字には、

  • むらがる(群がる)
  • 草が群がり生えているところ

という意味があるので、空から降る雨の降り方が草原のようにきっと見えたのでしょうね。

 

5.「肘笠雨(ひじかさあめ)」

急に降り出した雨で、笠(かさ)を被ることもできず、肘(ひじ)で頭を覆うようにした様子を表現しています。

昔は、「傘(かさ)」ではなく、「笠(かさ)」が一般的だったので、漢字も古風ですね。

ちなみに、昔の笠は以下のようなものです。

 

6.「天泣(てんきゅう)」

空に雨雲がないのに、急に降ってくる細かい雨のことを言います。

「天気雨」と同じ意味ですが、「天」が「泣いている」という表現が日本情緒にあふれています^^

【雨の降り方】長く降り続く雨の異なる6つの表現

 

1.「長雨(ながあめ)」

3日以上数日降り続く雨、まとまった雨の降り方を表現する気象用語です。

梅雨の時期だけでなく、9月中旬ごろから10月上旬当たりの秋の長雨もありますね。

 

2.「連雨(れんう)」

漢字の意味通り、「連日」降り続く雨の降り方です。

 

3.「霖雨(りんう)」

「霖(りん)」という漢字が難しいですが、「霖」には「長く降り続く雨」という意味があるようです。

「霖」は、雨雲が林の上にかかって、雨を降らせているようなイメージの漢字ですよね。

 

4.「陰雨(いんう)」

雨のじめじめ、しとしたイメージがそのまま伝わるような雨の降り方です。

雨の悪い雰囲気を表現している漢字ですね。

 

5.「宿雨(しゅくう)」

「宿(やど)」という漢字から想像できるように、前の晩から雨が止まず、朝になっても降り続いている雨の降り方です。

一晩でなく、二晩雨が続いても「宿雨」と表現します。

 

6.「漫ろ雨(そぞろあめ)」

「漫ろ(そぞろ)」という漢字が難しいですよね。

「何となく、心が落ち着かない、そわそわする」などの意味があります。

「漫ろ雨」は、それほど強くはない雨なのだけれど、いつまでも止まない雨の降り方です。

 

外に出かけたいとき、止みそうで止まない雨。

何となく心が落ち着かなくなるのは、今も昔も同じですね。
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【雨の降り方(春・夏・秋・冬)】季節で変わる雨の呼び名22の表現

日本には、「春」「夏」「秋」「冬」と4つの季節があります。

そして、その季節がそのままついた雨の呼び方は…

「春雨(はるさめ)」、「秋雨(あきさめ)」、「冬雨(とうう)」です。

 

「春雨」と「秋雨」は、天気予報でもよく聞かれる季節の変わり目に降る長雨。

また、冬に降る雨は「冬雨」の他に「寒雨(かんう)」や「凍雨(とうう)」などの呼び名もあります。

どの雨の名前も、とっても冷たそうな感じがしますよね。

 

ところで、夏に降る雨だけ「夏」という季節の漢字がつく呼び名が見当たらない?

でも、よく知られる「梅雨(つゆ)」や「夕立(ゆうだち)」など夏という季節ならではの雨がありますよね。

それでは、季節ごとの雨の呼び名を紹介したいと思います。

【雨の降り方】春に降る雨5つの表現

 

1.「雪解雨(ゆきげあめ)」

寒い冬の間に積もった雪を解かすように降る春先の雨です。

「ゆきどけあめ」ではなく「ゆきげあめ」という呼び名が、趣があるなと思います。

まだ気温も低い早春に降る雨ですが、木々や草花の芽生えを促す優しい雨です。

 

2.「春霖(しゅんりん)」

「春の長雨」や「花散らしの雨」とも呼ばれる、しとしとといつまでも降り続く雨です。

霖雨(りんう)でも紹介したように、「長く雨が降り続く」という意味の「霖」という漢字が使われています。

季節が春の長雨なので「春霖」という呼び名が素敵ですよね。

 

3.「桜雨(さくらあめ)」

桜が咲くころの時期に降る雨の呼び名です。

桜の花の開花を楽しみにしている頃にちょうど降ってくる雨は、ちょっと疎ましい感じもします。

しかし、舞い散る桜の花びらと雨の組み合わせも、春の日本ならではの風情があります。

 

4.「穀雨(こくう)」

「穀雨」は、二十四節気のひとつにも数えられ、次の立夏(りっか)までの15日間をさします。

農耕文化の日本にとっては、穀物の種まきや田植えの時期に降る雨で、とても大切にされてきました。

この時期に降る雨は「百穀春雨(ひゃっこくはるさめ)」とも呼ばれ、穀物に恵みをもたらす雨と言われています。

 

5.「翠雨(すいう)」

降り注ぐ雨が草木の青葉に映って、翠(みどり)に見えることから「翠雨」と呼ばれます。

「青雨(せいう)」とも呼ばれるようですが、「青い雨」よりも「翠」のほうが日本らしい感じです。

ちなみに「翠色」は、日本カワセミのメスの羽の色で、緑に限りなく近い青色。

ところで、雨を色で表現した呼び方は、他にもいくつかあります。

 

例えば…

  • 「黒雨(こくう)」は、「空を暗くするくらいに降る大雨」
  • 「白雨(はくう)」は、にわか雨のように「明るい空から降る雨」

など、古来の日本人の雨に対する観察力と雨を表現する感性は、素晴らしいと思いませんか?

【雨の降り方】夏に降る雨7つの表現

 

1.「五月雨(さみだれ)」

旧暦の5月に降る長雨のことで、現在の暦では6月「梅雨」のことを意味する呼び名です。

「五月雨」の「さ」は、「皐月(さつき)」や「早苗(さなえ)」などのように耕作を表しています。

また「みだれ」は、「水垂れ(みだれ)」で、雨の降り方を表現した言葉です。

一般的な「梅雨」という呼び名よりも、「五月雨」のほうが何となく爽やかなイメーがしませんか?

 

2.「半夏雨(はんげあめ)」

二十四節気の夏至(げし)から11日目の「半夏生(はんげしょう)の日」頃に降る大雨です。

「半夏生」は、日本独自に作られた雑節のひとつで、農作業に深くかかわっています。

関連記事⇒半夏生(はんげしょう)って何?意味は?なぜその日にタコを食べるの?

 

なので、半夏生の7月初旬は、ちょうど田植えを終えた後で、田の神様が昇天するときに降る雨とも言われています。

田植えを終えた農家は休息を取り、その日の天気で一年の豊作を占う習慣もありました。

 

3.「土用雨(どようあめ)」

7月下旬から8月上旬ごろが、夏の土用になります。

そして、その頃に降る雨が「土用雨」と呼ばれます。

昔から夏の土用は特別な日だったので、「土用雨」の日に美味しい「うなぎ」を食べたのでしょう。

関連記事⇒【2019年】土用の丑の日はいつ?うなぎを食べる意味や由来、全国の鰻名店5選はココ!

 

4.「甘雨(かんう)」

太陽の日差しが他の季節よりも強い夏は、人だけでなく植物にとっても大変な季節。

「そろそろ雨が欲しいところだな」と思うちょうどよい時に降って、草木を潤す雨が「甘雨」です。

ところで、雨に味があるわけないのに、なぜ「甘い雨」と呼ばれるのかなと思い調べてみると…

「甘雨」は、もともと「甘露(かんろ)の雨」と呼ばれていたそうです。

 

では、その「甘露」とは?

中国の伝説で、世の政治がうまく行われ人々が幸せな生活を送っていると天の神様が感じたときに降らす甘い露(つゆ)のことです。

ということで、「甘雨」とは、味ではなくて、まさに「天の恵みの雨」というわけです。

 

5.「瑞雨(ずいう)」

「甘雨」は、天の恵みの雨なのですが、夏の雨には他にも恵みの雨がいくつかあります。

そのひとつが「瑞雨(ずいう)」で、穀物の成長を助ける雨の呼び名です。

「瑞」という漢字には、「めでたい印(吉兆)」や「みずみずしい」という意味があります。

 

何か良いことが起こる前兆を表す縁起が良い漢字のようです。

夏の日照りが続いたときに降る恵みの雨には…

喜びの雨「喜雨(きう)」や慈しみの雨「慈雨(じう)」などの名前もありますよ。

 

6.「催涙雨(さいるいう)」

涙を催す雨「催涙雨」って、どんな雨なのと思いますよね。

ところで、一年に一度七夕(たなばた)の夜だけにしか会えない織姫と彦星の話はご存知ですか?

 

「催涙雨」は、旧暦の7月7日に降る雨で、雨のために天の川を渡れずに会えない二人の涙だと言われています。

他にも説はあるようですが、人にとっても七夕の夜に雨が降って、星が見えないと悲しいですよね。

ちなみに、七夕の前日に降る雨は「洗車雨(せんしゃう)」という呼び名があります。

七夕伝説で織姫に会うために、彦星が牛車を洗う水が降っているのだと言われているそうですよ。

 

7.「御山洗(おやまあらい)」

「洗車雨」は、牛車を洗う雨とわかるけれど、「山を洗う雨って何?!」

「御山」と、山に「御」がついているところがポイントの雨です。

「御山」は、日本一高く神聖な山「富士山」のことを表現しています。

 

そして「御山洗」とは、富士山が閉山する頃に降る雨です。

夏の開山時期に訪れる多くの登山者で汚れた山の不浄を洗い清め、無事に閉山することを感謝します。

ちなみに、2019年の富士山は7月10日から9月10日までが登山シーズンになる予定です。

【雨の降り方】秋に降る雨5つの表現

 

1.「秋霖(しゅうりん)」

春の雨の降り方で「春霖(しゅんりん)」を紹介しましたが…

8月後半から10月にかけて降る秋の長雨を「秋霖」といいます。

この頃は、台風の接近も重なるので大雨になることも。

しかし、「秋霖」の期間が過ぎると、秋晴れと言われる晴れ間が多くなります。

「秋霖」と同じ雨の降り方を「秋雨」「秋湿り」「ススキ梅雨」とも呼びます。

 

2.「山茶花梅雨(さざんかつゆ)」

「山茶花梅雨」とは、秋の終わりに比較的短い期間、梅雨のようなぐずついた天気が続くことです。

ちょうど山茶花の花が咲く頃にしとしと雨が連日降り続くのでこの名前が付けられました。

昔の人は、秋の長雨に少しでも気持ちが紛れるように、美しい花の名前を付けたのでしょう。

 

3.「白驟雨(はくしゅうう)」

「驟雨」は、「にわか雨」のように突然に降り始める雨の降り方です。

そして、秋に突然、大粒の激しい雨が降ることを「白驟雨」と呼んでいます。

 

4.「冷雨(れいう)」

冬も近づいてくると秋の雨もだんだんと冷たい感じになってきます。

そんな晩秋にしとしとと降る冷たい雨のことを漢字そのままを使って「冷雨」と言います。

とても分かりやすいですね。

 

5.「伊勢清めの雨(いせきよめのあめ)」

宮中の行事である神嘗祭(かんなめさい)が執り行われる旧暦の9月17日(10月17日)の翌日に降る雨です。

神嘗祭は、宮中でその年に取れた穀物(米)で作ったお神酒(みき)と餅や魚などを伊勢神宮に奉納する祭りです。

そして、その翌日に降る雨は、祭りの後を清める雨と言われ大切にされています。

夏に降る雨、「御山洗」に少し似ている気がしますね。
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【雨の降り方】冬に降る雨5つの表現

 

1.「時雨(しぐれ)」

「時雨」は、晩秋から冬にかけて降るあまり強くない降ったりやんだりする雨です。

「時雨」の語源は、「嵐(あらし)」の「し」と同じで「風(かぜ)」を意味する「し」と急に風が強まったりする「風狂い(しくるい)」という説があります。

 

他にも一時的に雨が降リ始めて暗くなることから「しばしくらし」や「しげくくらき」からという説も。

いろいろな説があるようですが、「しぐれ」という音の響きが何とも日本情緒にあふれているなと思います。

ところで、日本文化に深くかかわり冬の季語である「時雨」には、たくさんの呼び名が付いています。

 

例えば…

  • 同じ場所に降り続ける雨を「片時雨(かたしぐれ)」
  • 朝方に降る雨を「朝時雨(あさしぐれ)」
  • 月明かりの中で降る雨を「月時雨(つきしぐれ)」
  • 山茶花の赤い花が咲くころに降る時雨を「山茶花時雨(さざんかしぐれ)」

古来の日本人は、寒い冬の雨も呼び名を変えて、生活を楽しんでいたのですね。

 

2.「氷雨(ひさめ)」

「氷雨」は、冬に降るとても冷たい雨で、「霙(みぞれ)」と同じ自然現象です。

ちなみに、霙は雪が途中で溶けかかって雨と混じって降っています。

また、似たような氷の粒が雨に混じっている降り方として…

  • 氷の粒が5㎜以上が「雹(ひょう)」
  • 氷の粒が5㎜未満が「霰(あられ)」

と呼ばれます。

 

3.「解霜雨(かいそうう)」

朝起きると寒い冬には、霜(しも)が降りていて一面真っ白ということもありますよね。

霜は、空気中の水蒸気が水にならずに、水蒸気からそのまま氷の結晶になって降りてきたものです。

風が弱く、気温が4度以下の時に霜が降りやすくなるそうです。

そんな作物についた霜を溶かすように降る雨を「解霜雨」と言います。

 

4.「寒九の雨(かんくのあめ)」

寒の入り(1月5日)から9日目に降る雨のことを「寒九の雨」と呼びます。

昔から、寒九の頃に降る雨は、その年の豊作の兆しとして喜ばれていたそうです。

ちなみに、二十四節気の小寒や大寒に降る雨は、「寒の雨」と言います。

 

5.「鬼洗い(おにあらい)」

大晦日(おおみそか)に降る雨で、「追儺(ついな)」と呼ばれる宮中の行事に由来するとも言われています。

「追儺」とは、節分のような鬼払いで、その年の邪気や災難を払い、新年の五穀豊穣を祝う祭りです。

日本人は、雨が降ることで様々な穢れが清められるという思いがあったのでしょうね。
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日本の情緒あふれる雨の降り方の表現まとめ

今回は、ちー婆(ばぁ)が、ちょっと気になった「雨の降り方に関する表現」を紹介しました。

雨の降り方について、大雨と小雨、にわか雨くらいの表現しか馴染みがなかったのですが…

雨の降り方をいろいろと調べていくと、たくさんの表現があることがわかり、本当に驚きました。

 

そして改めて、日本は昔から、雨とともに生活している農耕文化で発展し、そのうえで歴史が創られたのだなと感じました。

たかが「雨」、されど「雨」…

まだまだ、雨の降り方を表現する名前がたくさんありそうなので調べてみたいと思います^^

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