買い物や仕事が終わって帰宅したり、家でのんびり過ごしていると、
「愛犬が手や顔をペロペロ舐めてきた!」
そんな体験ありませんか?
もしかすると、今まさに愛犬から舐められたばかりで、その理由を知りたいという気持ちが強いかもしれません。

犬が飼い主さんを舐める理由について、
「嬉しい気持ちになってるから」
多くの飼い主さんはこう考えているのではないでしょうか。
しかし、ひとつの「舐める」という行動にも、それぞれに違った「意味」や「犬の気持ち」が込められています。
今回の記事では、そんな犬が飼い主を舐める理由を、体の部位や気持ちごとに12パターンに分けて紹介していきます。
ここで紹介するパターンさえ押さえていれば、今日からでも、きちんと愛犬の気持ちを理解できるようになりますよ。
それでは早速、12のパターンを見ていきましょう!
[quads id=1]この記事の目次
犬が飼い主の「顔」や「口」を舐める理由と3つの気持ち

ここでは、「顔」や「口」を舐めるときの理由を紹介しています。
この場合の犬の気持ちは、大きく3つのパターンに分けられます。
もし、パターンひとつひとつの詳しい説明を見らずに、「すぐに愛犬のなめる理由を知りたいよ!」という方は、
すべてをまとめている上記のリンクへ移動してください^^
■「もうとにかく、大好き~!」
抑えきれない愛犬の「喜び」や「愛情」が、ペロペロと顔や口を舐める行動になって表現されています。
とにかく飼い主さんに「大好きだよ!」という気持ちが伝えたくて、何度も何度も、同じ場所を舐め続けることもあります。
愛犬からあなたへの精一杯の愛情表現ですから、出来れば思い存分に、顔や口を舐めさせてあげてくださいね。
と言っても、
- 舌を使って毛づくろいをする
- 体の汚れたところを舐めてキレイにする
普段から犬もこのような事をしているので、必ずしも、口の中が清潔な状態とは限りません。
そのことが原因で、パスツレラ症やQ熱などの「人獣共通感染症(ズーノーシス)」にかかる可能性もあります。
顔や口回りまでならまだしも、口の中まで舐めさせるのは避けたほうが良いでしょう。
もしどうしても止めなければ、愛犬の体を撫でてあげて、一緒に喜びをシェアしてみてください。
(※ 「パスツレラ症」とは、犬や猫の口腔内にいるパスツレラ菌によって引き起こされる病気で、皮膚や呼吸器などへの症状が表れます。)
(※ 「Q熱」とは、「コクシエラ・バーネッティ」という細菌によって起こる病気で、発熱などの症状が見られます。)
■「ボス、あなたを尊敬してます!」
「顔や口を舐めるのが飼い主への尊敬?」と驚いた人も多いのではないでしょうか。
実は、犬の祖先はもともと、リーダーを中心にした「群れ」で生活していました。
その時、群れの中心にいる「リーダー(ボス)」への敬意を示す行動として、「口を舐める」という事をしていたのです。
つまり、その頃の名残が、人に飼われるようになった今でも、引き継がれているわけなんですね。
そう考えると、愛犬が顔や口を舐めるというのは、ある意味、「リーダー」として慕ってくれている証拠。
ときには、鬱陶(うっとう)しく感じる「顔」や「口」をなめる行動も、「自分をボスだと思ってくれてるんだ!」と考えると、誇らしい気持ちになりませんか。
■「ねぇねぇ~、お腹が空いたからごはんちょうだ~い」
犬が飼い主の顔や口を舐める理由には、ただ単純に「ごはんを貰いたいから」という意味もあります。
「あ、うちの子がまさにコレだ!」と思ったあなた。
実はこの行動、単に食いしん坊な犬だけに見られるものではないので、安心してください。
顔や口を舐めてごはんを催促するのは、もとはと言うと、「子犬が母犬から食事をもらいたいときにするアピール」なんです。
つまり、犬が生まれつき持っている「本能の一部」ということ。
それを聞くと、「それなら、おやつをあげても大丈夫だね」と勘違いする人もいるのですが…
その子に合った食事の量をきちんと与えて、極端に細身の体型をしていなければ、おねだりされても、おやつを与える必要はありません。
犬はとても賢い生き物で、一度おやつを与えてしまうと、「口をなめるとお菓子がもらえる」と学習してしまいます。
極力ごはんの催促には答えず、その代わりに、あなたが母犬になったつもりで、愛犬の甘えたい気持ちを全力で受け止めてあげてください。
※ 犬に関係する内容については、
こちら記事も読んでみてください。
犬が飼い主の「手」を舐める理由と5つの気持ち

ここでは、飼い主さんの「手」を舐める理由を紹介しています。
この時の犬の気持ちには、大きく5つのパターンがあります。
■「ね~ね~、一緒に遊んでくれない?」
飼い主の手を舐める理由には、犬の「遊びたい!」という気持ちが込められています。
ひょっとすると、「早く僕のお気に入りのボールを投げてよ」と言っているのかもしれません。
我が家の愛犬を例に出すと、
- 休日に家でのんびりしている時
- 部屋に寝そべってボーッとしている時
このようなタイミングで、手を舐めてくることが多いです。
まるで「今日なら遊んでくれるかも」と、その場の空気を感じ取って、行動をしているようにも思えます。
■「悪いことをしてしまって、ごめんなさい…」
飼い主さんに叱られた後に多いのが、「すみません」や「ごめんなさい」の気持ちを込めた、手を舐める行動です。
申し訳ない気持ちでいっぱいで、反省していることを伝えるために、すこし遠慮気味でなめてくるはずです。
と言っても、基本的に犬は、過ぎさった過去を振り返って考えることはしません。
ですから、自分が起こした行動で飼い主さんの機嫌が悪くしてしまっても、「どうして怒ってるの?」と心配する意味から手を舐めているのです。
「犬」という生き物である以上、それは変えられません。
そのことを受け止めた上で、反省した愛犬の様子を見てから、声をかけたり優しく撫でたてあげたりしてください。
でも、叱った直後に手をなめられたからと言って、すぐに許してしまうのはダメです。
なぜ自分が怒られたのかが分からなくなるため、適度な時間を空けてから、じゃれ合いを再開しましょう。
■「あ~、今が一番幸せ~」
愛犬がまったりとした状態で手を舐めるときは、「安心」している気持ちです。
信頼できるパートナーやリーダーの隣に居られることで、幸せな気分で心が満たされ、穏やかな気持ちになっているのです。
これは、きちんと愛犬との関係が作れてないと、なかなか見せてくれない行動なので、このような状態で手を舐めてくれたときは素直に喜んでください。
その他にも、場合によっては、飼い主以外の人の手を舐めることもあるのですが。
これも同じ理由で、愛犬が「安心できる人だ」と感じている証拠になります。
■「初めて見る顔だな。どんな人かをチェックしちゃおう!」
飼い主さん以外の人に対して、その人の情報を少しでも得ようと、犬は「手を舐める」という行動をします。
大げさなんですが、散歩中や突然の訪問者などの初対面の人は、犬にとって全く情報のない未知の生物と同じです。
そのため、「舐める」という事をして、その人がふどんな人柄なのかを感じようとしているのかもしれませんね。
また、それ以外の理由としても、舐めることで距離を縮める役割をしていたり、自分との距離感を測っていたりも。
もし愛犬以外の犬とふれあう機会があれば、満足するまで手を舐めさせると、初対面の子でも距離を縮めることができますよ。
■「何かイイ匂いがするよ。おやつをちょうだい!」
飼い主の手を舐める理由には、料理や食事の際についた食べ物の匂いに誘われて、ついつい舐めてしまう事があります。
もともと犬は、お肉やお魚などのタンパク質を好む生き物で、そのような素材の匂いに敏感です。
クンクンと匂いを嗅いで、食べ物の匂いがした日には、手を舐めておやつをねだるに違いありません。
その時の愛犬は、「美味しいもの食べてない?僕にもちょうだいよ!」という気持ちでいっぱいです。
おねだりされると、その姿が愛らしくて、ついついあげたくなるのですが。
一度与えてしまうと、学習して同じことを何度も繰り返すかもしれません。
ちょっとしたおやつの積み重ねが愛犬を肥満体系にさせたり、病気の原因にもなるため、
- おねだりをされても与えない
- 与えても少量
この2つを心がけましょう。
犬が飼い主の「鼻」や「耳」を舐める理由と1つの気持ち

ここでは、飼い主さんの「鼻」や「耳」を舐める理由を紹介しています。
■「この味がクセになるんだよね~」
ものすごい勢いで耳や鼻を舐めている愛犬をみると、ちょっと引いてしまいますよね。
実は、舐める理由もそこにあって、鼻や耳に付いている垢の味が、犬にとっては好みだったりするわけです。
さっきの話の中で、「犬はお肉や魚が好き」ということを紹介したと思うのですが…
耳や鼻についている「汗」や「脂」というのも、犬の好物「肉」や「魚」に含まれる成分と似ています。
「獲物(食べ物)に近い味がする」ということで、病みつきになる子が多いのです。
ただ、人前でそんな行動をされると、周りの人からはあまり良い顔をされないと思うので、基本は自宅限定で。
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犬が飼い主の「足」を舐める理由と3つの気持ち

ここでは、飼い主さんの「足」を舐める理由を紹介しています。
この時の犬の気持ちには、大きく3つのパターンがあります。
■「ねぇねぇ、何か楽しいことでもしない?」
犬が足を舐めるときは、飼い主さんに「一緒に楽しい事でもしない?」という誘い気持ちが込められています。
- テンションが高い
- 生き生きした目で活動的
この2つが当てはまるときは、ほぼ「遊びの誘い」と思って良いでしょう。
気持ちの面でも、興奮した状態なので、ほんの少しの時間だけでも相手をしてあげると、すごく喜んでくれます。
足を舐めるのを止めない場合は、お気に入りのおもちゃで遊んであげると落ち着くと思います。
■「ねぇねぇ、どこ行ってたの?心配したんだよ」
飼い主以外の人の手を舐めるときは、「その人の情報を探るため」と紹介しました。
帰宅したてのあなたの足を舐めるときも、愛犬が情報を探っているのが理由です。
1日中家に居なかったあなたの事が心配で、足を舐めて新しい情報を探しています。
と言っても、おそらく、どこで何をしていたのかまでは分からないと思いますが。
「自分以外の犬と触れ合って来たんじゃないか」と、飼い犬ならではの嫉妬感から来る行動なのかもしれません。
気の済むまで舐めさせてあげてください。
■「そうそう、この香りがたまらないんだよね~」
人間の僕たちからすると、愛犬が足を舐めたり、匂いを嗅いだりする行動は、ちょっと気が引けてしまいますよね。
1日の汚れが付いていたり、汗の臭い匂いがしたり、あまりキレイなものではありませんから。
でも、犬の目線で見ると、実は、そのような足こそ、舐め甲斐・匂い甲斐があります。
なぜなら、1日中頑張った足には、汗や脂などの有機物がドッサリと付いているからです。
その有機物が獲物の味や香り、つまり、「自分が食べる餌(ごはん)」と似ていることから好む犬も多いのです。
- 1日中履いた靴下の匂いを嗅ぐ
- 靴下を噛む
このような行動も、先ほどと同じ理由です。
いくら人間の足と言えども、1日頑張った足には雑菌が付いています。
隅から隅まで舐めさせるというのは、愛犬の健康のためにも避けたほうが良いです。
【早見表】すぐ分かる犬の舐める理由や気持ち12パターン
というわけで、ここまで、犬の舐める理由と気持ちについて、体の舐める場所や気持ちの違いにわけて紹介してきました。
「あの時の愛犬が舐めてきた理由はこれだったのか!」と思えるものはありましたか?
もしかすると、「パターンが多すぎて判断ができない…」と感じた人もいるかもしれません。
そこで、もう少し分かりやすく理由や気持ちの判断ができるよう、今回紹介した12パターンをひとつの表にまとめました。
舐める部位 | 理由 | テンション | 気持ち | シチュエーション |
顔・口 | 愛情や喜びの表れ | 高い | 「もうとにかく、大好き~!」 | 仕事や買い物の帰宅直後、のんびりまったりしている時など |
顔・口 | 尊敬や敬意の表れ | 普通 | 「ボス、あなたを尊敬してます!」 | のんびりまったりしている時など |
顔・口 | おやつや餌の催促 | 高い | 「ごはんちょうだ~い」 | 餌の時間の前後、飼い主の食事時間の前後など |
手 | 遊びへの誘い | 高い | 「一緒に遊ばない?」 | 愛犬を撫でている時、仕事や買い物から帰って来たときなど |
手 | 反省の表れ | 低い | 「ごめんなさい…」 | 怒る・叱るの行動を飼い主がとった後など |
手 | 安心している気持ち | 普通 | 「今一番幸せかも~」 | 愛犬を撫でているとき、1対1で空間を共有している時など |
手 | 情報収集 | 高い | 「どんな人なのかをチェックしよう!」 | 家にお客さんが来たとき、散歩中に初対面の人の触られた時など |
手 | おやつや餌の要求 | 高い | 「おやつをちょうだい!」 | 料理をしている時や後、食事の後など |
鼻・耳 | 餌に近い味や匂いに惹かれて | 高い | 「この味がクセになっちゃう」 | 決まった時間やタイミングはない |
足・足先 | 遊びのお誘い | 高い | 「何か楽しい事でもしない?」 | 仕事や買い物から帰宅してひと休みしている時など |
足・足先 | 情報収集 | 高い | 「どこ行ってたの?心配したんだよ」 | 仕事や買い物の帰宅直後など |
足・足先 | 匂いや味に魅せられて | 高い | 「この香りがたまらな~い」 | 仕事や運動をした後など |
10年以上愛犬と暮らしてきた僕の経験から、どのような時に舐めていたのか、具体的な例を交えながら紹介しています。
あくまでも、僕個人のこれまでの経験なので、参考程度に見てもらうと嬉しいです。
また、これからの生活で、「今すぐに舐めた理由を知りたい!」という時に活用して頂けらなと思っています。
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すべてに共通する犬の舐める理由は飼い主への愛情表現!
犬が飼い主を舐める理由を、大きく12のパターンで紹介してきました。
しかし、どのパターンにも共通して言えるのは、「飼い主に対する愛情表現」だという事です。
口、鼻、耳、足など舐める場所や理由は違っていても、愛犬があなたに何かを伝えようとしている気持ちに変わりありません。
舐めてくれるのは、上手な信頼関係を作れている証拠でもあるので、あなたのほうからも、愛犬にとびきりの愛情と喜びを返してみてください。
ただし、おやつやご飯の欲求や、あまりにも舐め続けるときには、ほどほどに。
今回紹介した内容が、今後のあなたと愛犬とのさらなる関係向上のヒントになれば、と思います。