お通夜(お葬式)の日取りには、いろいろな条件がありますよね。

僧侶の予定、斎場や火葬場が使えるかというような具体的なことから…
さらに、歴の上での慣習的な日取りまで考えるとなかなか複雑です。
そこで、今回は「お通夜(お葬式)の基本的な日取りや暦」について紹介します。
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この記事の目次
お通夜(お葬式)の日取り 基本的にはいつ行えばいいの?
お通夜(お葬式)の準備をすぐに始めなければいけないという現実は、遺族には辛いことです。
実際、ちー婆(ばぁ)の場合も、母が亡くなってから葬儀を行うまで、とても大変でした。
おまけに日取りなどほとんど知らなかったちー婆(ばぁ)。
しかし、葬儀社のサポートで、無事にお通夜とお葬式ができました。
ところで、日取りを決めるときに、ただ1つ火葬について法律上で決められていることがあります。
それは、人が亡くなってから「24時間以上の時間がたたないと火葬できない」ということ。
昔は、病院の死亡判断が現在のように正確ではありませんでした。
だから、万が一途中で蘇生することも考えて「24時間以上」という確認の時間を決めました。
もちろん現在でも、死亡届を役場などに提出するまでは、勝手に火葬をすることはできませんよね。
ということで…
故人が亡くなった日や次の日は、「お通夜」が一般的です。
そして、お通夜をした次の日が、お葬式…というのが基本的な流れになります。
参考記事⇒お通夜とお葬式ではどっちに参列するべき?受付での香典の渡し方と言葉の掛け方
しかし、もしカレンダーの「友引(ともびき)」や「仏滅(ぶつめつ)」といった文字が気になったら…
結論を言うと、お通夜を行う日の「友引」は、気にしなくても大丈夫です。
でも、お通夜の次の日に行うお葬式が「友引」の日だったら…
お通夜の日取りをずらして、1日目を仮通夜、2日目を本通夜として、お葬式の日取りが「友引」にならないようにします。
この場合の仮通夜は、故人の遺族や関係が近い親族のみで行うことが多いようです。
このように、お通夜(お葬式)の日取りは、基本的な日程もありますが、慣習的な暦を考えて日程を決めることもあります。
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お通夜(お葬式)の日取り なぜ友引の日にやってはいけないの?
「友引(ともびき)」は、中国で生まれた占い「六曜(ろくよう)」の1つです。
最近では「そこまで気にしない…」という方も増えてきました。
でも、結婚式やお通夜(お葬式)などの日取りには、やはりちょっと気になる方もいますよね。
では、お葬式を友引の日に、なぜやってはいけないのか?
1つの理由は、「火葬場の休館日」であることが多いからです。
お通夜やお葬式の日取りは、だいたいが葬儀社との打ち合わせで決まります。
でも日取りの決め方で一番大切なことは、「火葬場」が使えるかどうかということ。
火葬場も年中無休ということではなく、休館日があります。
そして、その休館日が「友引」の日であることが多いようです。
なぜなら「友引」の日は、縁起が悪いのでお葬式の日取りとして避ける人が多いからです。
ということは、「友引」の日にお葬式をしようとすると休館日で、火葬場が使えないこともある?!
火葬場の状況については、葬儀社の方が一番よくわかっているので、遺族は心配しなくても大丈夫です。
さらに、お正月は多くの火葬場が休みになり、年末年始にお葬式を行う場合は、お正月が明けてからになります。
また、友引の日にお通夜を行うと、友引明けと呼ばれ、次の日のお葬式が多くなることも?!
同じように友引に葬儀をできなかった遺族が、一斉に火葬場へ向かうので混雑してしまうこともあります。
お葬式を友引の日にすることを避けたい理由の2つ目は、「友引」の意味に関係します。
「友引」は六曜の「先勝(せんしょう)」と「先負(せんぶ)」の間にあります。
「友引」は、もともと「物事に勝敗なし」「勝負ごとでは共に引き分ける日」という意味でした。
かつては、「共引」という字が使われていて、すべてにおいて勝負がつかない引き分けの日だったのです。
現在では、この「共引」という意味は、ほとんど使われていません。
では、なぜ縁起が悪い意味に使われるようになったかというと…
「友を引く」という漢字が「共に引き分け」の代わりに当てられました。
漢字から連想すると「友引」は「友を凶事に引く」と考えられるのでお葬式の日取りでは避けられています。
お葬式という哀しい場面で、「友」もあの世に「引き」込まれてしまったら大変。
ということで、「友引」は縁起が悪い日としてお葬式をすることは避けられるようになりました。
六曜(六輝)の中にも「吉日」と「凶日」があって、「友引」は葬儀関係については凶日であると考えられたのです。
ただし「友引」の意味を別の考え方にすると、結婚式の日取りでは人気の日に!?
考え方の違いですが、「友を引く」ようなめでたいことが「友にも伝わる」というようなプラスの考え…
同じ「友引」でも結婚式ではプラスの考え、お葬式ではマイナスの考えと違うのは興味深いですよね。
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お通夜(お葬式)の日取り 六曜(六輝)の意味は?知っていると役に立つ?!
ほとんどのカレンダーに、「大安(たいあん)」や「仏滅(ぶつめつ)」などの言葉が書いてあります。
- 何のためにわざわざ書いてあるのか?
- 1つ1つの言葉にどんな意味があるのか?
あまり意識することがないかもしれませんが、意味を知ると意外と役に立つことも…
ということで、ここでは「六曜(六輝)」1つ1つの意味を紹介します。
「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」という6つの言葉を「六曜(六輝)」といいます。
もともとは「六曜星」、略して「六曜」と呼ばれていました。
明治以降に、今の「七曜(月火水木金土日)」が使われるようになって「六輝」とも呼ばれるように。
現在のような6つの読み方になったのは、江戸時代末期だそうです。
縁起を担ぐ人たちにとっては、生活には欠かせないものとして大切にされました。
先勝(せんしょう・さきかち・さきがち)
- 人よりも先に行動すれば、幸運を手に入れることができるという日
先手を打つことが良いとされる日です。
急な用事や訴訟などをするのには吉とされます。
また「先」を午前中に置き換えて、午前中が良いとされるので午後は凶になります。
友引(ともびき・ゆういん)
- 災いが共にも及ぶと言われる日
この日に葬儀を行うと友が死人の道連れになると言われ、葬儀は慎む日とされています。
午前中と夕方は吉ですが、正午は凶になります。
先負(せんぶ・さきまけ)
- 「先んずれば負ける」とされ、早まって行動すると負けてしまう日
何事も慎重に行い、できれば静かにしている方がいい日とされています。
お見合いは、避けた方がいいと書いてある暦もあります。
午前中から正午までは凶で、午後からは吉です。
仏滅(ぶつめつ)
- 漢字で表されているように「仏も滅亡するような」悪い日
ただし「仏」という文字が使われていても、仏教とは特別な関係はないそうです。
何事もうまくいかない六曜(六輝)の中では、最も凶な日です。
結婚式などめでたい行事や引っ越しや開店などもよくないので避けることも。
すべての時間帯が凶とされています。
大安(たいあん)
- 何をしてもうまくいき、成功しないことはないと言われている日
六曜(六輝)の中で最も良い日とされています。
結婚式や結納などの行事、移転、建築、新しい事業の開始、旅行…どんなこともOK。
また、大安だからお葬式はしてはいけないということもありません。
赤口(しゃっこう・しゃっく・せきぐち)
- 正午だけは良くて、あとは仏滅と同じくらい悪い日
祝い事には大凶の日なので、避けた方が無難とされています。
仏事は例外とされているので、お葬式は行うことができます。
「赤」という字から、料理人など刃物や火を使う職業の人は、気を付ける日とも。
次にカレンダーを見るときは、六曜の意味をちょっと思い出してみてくださいね。
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まとめ 「お通夜(お葬式)の日取りや友引の意味」などについて
今回は、「お通夜やお葬式の一般的な日取りと友引などの暦」について紹介しました。
葬儀の日取りは、一般的な流れに沿った決め方があります。
葬儀についての専門家である葬儀社の方に相談しながら日取りを決めるのも1つの方法です。
しかし、遺族や親族の考えや状況によって、いろいろな日取りの決め方もあります。
例えば、海外に住む遺族がそろうのを待ってお葬式をしたいとか、やはり縁起を担ぎたいとか…
どのような日取りの決め方であっても…
故人を温かく見守って送り出せるようなお葬式であることが、一番大切ではないかなと思います。