昨日の夜、久しぶりに、庭に出て月を見ました。
月と星と虫の声と、立秋を過ぎた秋風と…とっても心地よい夜でした。
月見は、満月じゃなくても、なかなかいいものですね^^
昔の人は、月を毎晩眺めて、月の満ち欠けのもと、生活していました。
そして、月の形に名前をつけて、月見を楽しんでいました。
今回は、月の満ち欠け(月齢)とそれぞれの月の形についた名前と由来などについて詳しく紹介します。
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この記事の目次
月の満ち欠け(月齢)とは何?どんなリズムで動いているの?
月は、いつも同じ形をしていませんよね?
今晩は、月が丸くてきれいだな~と思って見ていたら、2、3日後の夜に見ると、もう少し月が欠けていたり…

このように、月が、30日周期で、「満ち欠け」を繰り返すことを「月齢」と言います。
天気予報をよ~く聞いていると、明日の天気や気温、日の入りと日の出の時刻、海の満潮と干潮の時刻、そして最後に「月齢は…」と言うのが聞こえてきます^^
新聞の天気予報コーナーも、注意して見ると「月齢29」とか書いてあります。
言われて初めて、「あ~っ、なるほどな~」という程度ですが…
月の満ち欠け(月齢)は、自分たちの今の生活に、ほとんど関係ないから仕方ないですよね。
でも、旧暦という月の満ち欠けを利用した暦で、生活していた昔の人にとっては、月の満ち欠け(月齢)は、とても重要な存在でした。
まず、「月齢ゼロ」の月の形は、「月の満ち欠けゼロ」ということなので、空の月がほとんど見えないぐらいの細さです。
細~い曲線の光が、空に描かれているような月がありますよね?
その月齢ゼロの月をスタートに、次の日は「月齢1」の月、その次の日は「月齢2」の月…と満ち欠けしていきます。
月の満ち欠け(月齢)は、ゼロから29まであって、ちょうど30日周期です。
ただし、月の場合は、数学で使うような正確なゼロから29という数字ではなく…
例えば、三日月なら「月齢3程度」、満月なら「月齢15程度」というふうに、「~程度」と呼ぶようです。
理由は、最近では月の満ち欠け(月齢)を、きちんと小数点まで入れて、考えるようになったから。
だから、天気予報で細かく言えば、「今晩は、三日月で月齢3.6です。」みたいな感じになるでしょうね。
細かい数字まで計算できるようになった科学の進歩は、なんてすごい!
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月の満ち欠け(月齢)で変わる月の名前 新月から満月までは?
十五夜という月の名前は、とてもなじみのある月の名前ですよね。
それでは、十六夜、十七夜、十八夜…と月の満ち欠けにあわせてあるのかな~と単純に思いませんか?
現在の私たちは、太陽の動きにあわせた暦を使って、生活しています。
しかし、昔は月の満ち欠けに沿った暦で、生活をしていました。
月の動きや位置で、時間を知ったり、夜は月の灯りのもとで作業をしたり…
月は、本当に生活の一部だったので、月の満ち欠けについた名前には、昔の人々の思いが込められています。
単純に、ただ数字を並べただけの名前ではないようです。
月の満ち欠けの順番で、月の名前を紹介していくと…
月の満ち欠けゼロの月(月齢0)の名前は、「新月(しんげつ)」と呼ばれます。

新月は、月が太陽と地球との間に入ってしまうので、地球からは全く月が見えない状態になります。
また、旧暦(陰暦)では、毎月の第1日目のことを「朔(さく)」とも言うので、別名「朔月」とも言われます。
新月から2日目、月齢1の月の名前は、「二日月(ふつかづき)」という名前です。
月の満ち欠けは、月齢ゼロから始まるので、2日目だけれど月齢としては月齢1で、名前は「二日月(ふつかづき)」。
月齢の数字と月の名前の読み方が、ずれているので、ちょっとモヤッとするのは、ちー婆(ばぁ)だけでしょうか?
また、朔(さく)一日目を過ぎたという意味から、別名「既朔(きさく)」とも呼ばれています。
月齢の数字と月の名前の読み方の数字のずれは、気にせずに、3日目の月(月齢2)の名前は…
満月の次に、多くの方がよく知っている月の名前「三日月(みかづき)」です。

三日月は、月の形が、いろいろなものに似ていると例えられるので、三日月以外にもたくさんの別の名前を持っています。
例えば、三日月を少し動かすと人の眉の形に、似ていますよね。
なので、「眉月(まゆづき)」または、「蛾眉(がび)」。
「蛾眉(がび)」とは、虫の蛾の頭についている触角のように三日月形に、しんなりと曲がった眉の形。
昔の美人の象徴ともいえる「蛾眉(がび)」は、確かにずいぶんと今の女性の眉より、細~いような気がしますよね。
他にも、三日月は、その形から「弓・剣・鎌・舟」などいろいろな別の名前を持った親しまれる月です。
新月から1週間後、月の満ち欠け7日目(月齢6)の月の名前は、「上弦の月(じょうげんのつき)」。
上弦の月というと、どんな月の形なのか、あまりピンとこないですが…
月の形は、月がどんどん膨らんで満ちていく過程での半分の状態で「半月」です。
半月と言えば、はっきりと月の形が思い浮かびますよね。

昔の人は、半分の月を見て、弓に張った弦(げん:弓のつる、糸)が上向きになっているように見えました。
だから「上弦の月」または「弓張り月(ゆみはりつき)」と、月に名前を付けて呼んでいました。
弓矢は、昔の人にとって生活の必需品ですからね~、すぐに月の呼び名のイメージに浮かんだのでしょう^^
新月から10日目、月の満ち欠け(月齢9)の月の名前は、そのまま「十日夜」。
月の名前の読み方がちょっと難しくて「とおかよる」ではなく、「十日夜(とおかんや)」と呼びます。
半月から少し膨らんだ月になり、もうすぐ丸い月になるという喜びも込めた収穫祭が行われる地域もあります。
だんだんとさらに満月に近づいてきた、月の満ち欠け(月齢12)の月の名前は…
満月に次いで月が美しいとされている月で、「十三夜(じゅうさんや)」と呼ばれます。
古くからこの美しい月を見ながら、月見の宴も行われていました。
また、その月見の宴に、季節の物「栗」や「豆」をお供えしていたので、「栗名月(くりめいげつ)」、「豆名月(まめめいげつ)」という名前も。
もうすぐ丸く満ちようとする十三夜の月は、縁起が良い月だと言われています。
いよいよ満月の前夜の月…月の満ち欠け(月齢13)の月の名前は、「十四日月(じゅうよっかづき)」。
翌日の満月を楽しみに待つという意味で、「待宵の月(まつよいのつき)」という名前もあります。
満月のことを「望月(もちづき)」とも呼び、その満月よりもまだ少し小さいので「小望月(こもちづき)」とも。
月の満ち欠け(月齢14)の月は、月が最も円に近い状態になります。
この時、月と太陽を結ぶ線上の間に、ちょうど地球が位置するので、太陽の光が月全体を照らしだして円に見えます。
この状態の月の名前は、「満月」。
満月のほかに呼ばれている名前は、「十五夜(じゅうごや)」、「望月(もちづき)」、「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」。
「中秋の名月」の「中秋」とは、秋の真ん中と言う意味です。
■ 十五夜と中秋の名月に関係のある記事(参考)
- 十五夜と中秋の名月の由来と月見団子の意外な秘密について
陰暦では7月から8月が、秋の季節だったので、その真ん中の8月に見える美しい月を名月と呼んで親しまれていました。
また、満月にお供えする芋にちなんで、「芋名月(いもめいげつ)」とも…
■ 芋に関係のある記事(参考)
- さつまいもの皮の種類と特徴について
- Potegee 新富町にあるさつまいも専門店
お月見の定番と言えば、満月の十五夜が一番きれいでいいですよね。
でも、他に「十日夜(とおかや)」と「十三夜(じゅうさんや)」にも、お月見の行事があるらしいです。
■ 団子に関する記事(参考)
- 【かどがわワンパク】自然・歴史・文化・食&おもてなしの体験交流プログラム
- 「みたらし団子」の簡単な作り方
さらに、昔から「十日夜・十三夜・十五夜」の3日間が晴れると、良いことがあると言われているそうですよ。
月の満ち欠けゼロの新月から始まって、ほぼ半月の間、ゆっくりと円に近づいて満ちていく月を、昔の人はどんな思いで見ていたのでしょうね。
月の満ち欠け(月齢)で変わる月の名前 満月からあとの月は?
満月からは、月は、また少しずつ欠けていき始めます。
また、満月は、日没とともに東の空に昇り、明け方には、西の空に沈むのですが…
満月から後の月は、毎日約50分ずつも月が出る時間が、遅くなっていきます。
この少しずつ月の出が、遅くなっていくという自然のリズムが、満月から後の月の名前に、とても関係しています。
満月の次の日、月の満ち欠け(月齢15)の月の名前は、「十六夜」。
この月の名前の読み方も、そのまま「じゅうろくや」と言うのではなく、「十六夜(いざよい)」という読み方です。

月の出が、遅くなっているので、月が出るのを「いざよう(ためらっている)」ようだなと、昔の人は感じたのですね。
月の満ち欠け(月齢16)の月の名前は、「立待月(たちまちづき)」。
夕方、外で月の出を、まだかな~と「立って待っている」間に、でてくる月なので「立待月」と呼ばれるようになりました。
まだ、月の出を立って待っていれるくらいの「立待月」ですが…
18日目、月の満ち欠け(月齢17)になると、月の出が、さらに遅くなっているので、待ちくたびれてしまって…
外で待つのではなく、家の中で座って待つという意味で「居待月(いまちづき)」。
さらに、19日目、月の満ち欠け(月齢18)なると、もっともっと月の出は、遅い時間になり、「寝待月(ねまちづき)」と言う名前になります。
電気を付ければ明るくなる現代と違って、日没とともに、暗くなるのが当たり前の時代では、月を待っている間に、寝てしまう気持ちはわかるな~。
昔の人は、「立待月」「居待月」「寝待月」と、とりあえず月が出るのを辛抱強く待っていたのですね~。
でも、さすがに20日目になると、月が出るのが、夜も更ける時間帯になってきます。
月の満ち欠け(月齢19)の月の名前は、「更待月(ふけまちづき)」。
夜が更ける時間とは、だいたい10時ごろ…昔の人にとっては、もうとっても遅い時間ですよね~。
21日目の夜の月の名前は、「二十日月(はつかづき)」という区切りがいい名前です。
月の満ち欠け(月齢22)の月の名前は、上弦の月に対して、「下弦の月(かげんのつき)」。
月が欠けていく過程での半月と言うのは、上弦の月と同じですが、弓に張った弦(げん:弓のつる、糸)が下向きになっているのが違いです。
24日目、月の満ち欠け(月齢23)では、午前0時近くに、ようやく月が昇ってきます。
なので、月の名前は、「真夜中の月」と呼ばれることも…
この時間まで、月の出を待つと、願い事が叶うと言われ、昔は信仰されていたようですよ。
夜更かしが苦手な人には、ちょっと大変ですよね~。
そして、26日目ごろには、夜明け(有明)の空から月が現れてきます。
月の満ち欠け(月齢25)の月の名前は、「有明月(ありあけづき)」。
夜明けのことを「有明(ありあけ)」というので、この読み方がつきました。
ここから先の月の読み方は、すべて「有明月」とも言われます。
もう一晩中、起きて月を待っている人は、いなかったかな~?
最後に、30日目、月の満ち欠け(月齢29)の月の名前は、「三十日月(みそかづき)」。
一回りした月は、新月の頃の月と同じ状態に戻ります。
ちなみに、30日の読み方が「みそか」ということから、月末のことを「晦日(みそか)」というのは、このためです。
そういえば、31日になると「大」がついて、「大晦日(おおみそか)」という読み方になりますよね。
昔の人は、月の満ち欠けを本当に大切にして、その時々の月にピッタリあった名前で呼んでいたものだと思いませんか?
(参考) 月に関係のある記事
- 月(month) 1月から12月までの簡単な英語の覚え方!
月の満ち欠け(月齢)で変わる月の名前 英語の名前○○moonもある?
月は、世界どこでも同じように見えますよね。
日本では、月の満ち欠けの形によって、月にいろいろな名前を付けています。
それでは、海外では、どうでしょうか?
英語でも、月の読み方が、日本のようにいろいろあると思いますか?
まず、「月」についての英語は「moon(ムーン)」ですよね。
それでは、「月の満ち欠け」は…
「(月が)満ちる、大きくなる」というのを英語では、「wax(ワックス)」と言います。
wax(ワックス)???車を洗車した後、たまにワックスをかけるけど…
「wax」の1番目の意味は、「ろう:汚れや水分を跳ね飛ばす膜」、そして、動詞の意味が「ワックスをかける」。
英語は、1つの単語で2つ以上の意味を持つことは普通ですが、「wax」の表す意味は、面白いですよね^^
waxの反対が「wane(ウエイン)」で、「(月が)欠ける、小さくなる」という意味になります。
ということで、「月の満ち欠け」は「wax and wane(ワックス アンド ウエイン)」。
ちなみに、「月齢(げつれい)」という意味の英語は、「the age of the moon(ズィ エイジ オブ ザ ムーン)」。
月齢が、月の年齢であるように、英語でも「age(エイジ)」が、年齢・時代という意味だから、これは納得の英語です。
月齢0で、月が全く見えないことは「新月(しんげつ)」ですが、これは英語「new moon(ニュー ムーン)」の翻訳からそう呼ばれるようになりました。
「new moon」新しい月、そのままの訳ですね。
日本でもよく知られる「三日月」は、どうだと思いますか?
日本の名前の由来は、3日目にでる月だから三日月というふうに、ちょっと単純ですが…
英語では、「cresent moon(クレッセント ムーン)」と呼ばれます。
「cre-」という接頭語が、ラテン語で「成長する」と言う意味があり、月がこれから成長して、大きく満ちていくことを表しています。
逆に、「decresent moon(ディクレセント ムーン)」は、欠けていく月「下弦の月」のことを言います。
また、フランス語では「croisant」、この読み方は「クロワッサン」。
三日月の形をした、「クロワッサン」というパンの種類、おいしいですよね^^
新月から満月の途中、月が満ちていくときの「半月」も英語の読み方があります。
ちょうど月が半分だから「half moon(ハーフ ムーン)」。
「half(ハーフ)」が、「半分の~」いう意味なので、そのままですね^^
細かく月の名前がある日本と違って、英語の場合は、月の見た目がそのまま表現されているのが、特徴です。
日本の「十三夜(じゅうさんや)」、満月になる一歩手前くらいの月は…
英語の読み方では「gibbous moon(ギボス ムーン)」と言います。
「gibbous(ギボス)」とは、月など惑星の表面が「デコボコしている」という意味で使われます。
半月よりも、少し大きく成長している月齢12の十三夜、確かに膨らんでデコボコしたイメージ^^
いよいよ「満月」、国は違っても、月の美しさを楽しむ気持ちは、共通です。
「満月」は、英語の読み方では、「full moon(フル ムーン)」。
「full(フル)」の意味は、「一杯な、満ちた、完全な、最大限度の、まるまる、十分な、豊かな、ふっくらとした」など。
英語でも、満月に対して、一番意味が合う、精一杯の表現をしていると思いませんか?
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まとめ 月の満ち欠け(月齢)の意味と月の名前(読み方)について
今回は、月の満ち欠け(月齢)とそれぞれの月の形についた名前と由来などについて紹介しました。
太陽のような派手さこそないけれど…
約1か月かけて、毎日静かに満ち欠けを繰り返し、形を変える月は、人々の心を魅了して様々な名前をつけてもらっています。
月の名前の由来や意味は、国それぞれの文化の違いや感性の違いがあって、同じ月であるのに面白いなと思いました。
夕涼みをしながら見る夏の夜の月も、秋の夜長に身氏の声を聞きながら見る月も、どの季節の月もそれぞれの趣があっていいものです。
今晩の月は、どんな形をしていて、どんな名前がついている月…寝る前に窓の外をちょっとのぞいてみてくださいね^^