バーベキューやキャンプなど屋外での活動が多くなる、これからの時期。
特に、注意しないといけないのが「マダニ」です!
ニュースでも話題になっている、「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」のウイルスを媒介している事もありますから。
そんな危険なマダニですが、森林総合研究所によると、天敵となる生物「オオヤドリカニムシ」を発見したそうなのです!
もしかすると今後、研究がさらに進めば、僕たちの周りから、マダニが1匹もいない明るい世界がやって来るのかも…
というわけで今回は、マダニの天敵「オオヤドリカニムシ」について、どんな生き物なのか、人間には害や毒性はないのかなど、詳しく紹介していきたいと思います。
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この記事の目次
マダニの天敵発見!「オオヤドリカニムシ」ってどんな生き物?
マダニの天敵として発見された「オオヤドリカニムシ」は、カニのような大きなハサミを持っていて、尻尾のないサソリのような姿をしている、体長5㎜くらいの小さな生き物です。
名前に「オオ」というのが付いているため、大きな生き物をイメージするかもしれませんが、名前の割には、案外小さな体しています。
オオヤドリカニムシは、カニ?サソリ?の見た目をしていますけど、実は「クモ(スパイダー)」に一番近くて。
その証拠に、足の数もクモと同じ8本(4対)、それから、口にあたる部分には、ハサミの付いた触肢が2本ありますから。
おそらく、初めてオオヤドリカニムシを目にした人は、「小さなサソリだ!」と思い、ビックリしてしまうかも(笑)
ですが、サソリのように「尻尾」はありませんから、安心してくださいね^^
オオヤドリカニムシの捕食姿が独特で、まず、2本のハサミで「マダニ」をガシッと挟み、それから、挟んだまま相手の体液を吸っていくという食べ方。
見た目も豪快ですけど、食べ方もかなり豪快なのです(笑)

それから、オオヤドリカニムシに限らず、カニムシはハサミで一度物を挟むと、挟んだまま、なかなか離しません。
マダニも一度噛みつくと長く離しませんけど、そのマダニの「天敵」と言うくらいなのですから、相当離してくれません。
オオヤドリカニムシは普段から、マダニなどの「ダニ」や「トビムシ」を餌としている生き物で、僕たち人間にとっても害虫を減らしてくれる、ありがたい存在。
1~3年も生き続ける虫なので、生涯でかなりの数のマダニを食べるはずから、思わず「ありがとう」と言いたくありますよね(笑)
ちなみに、カニムシについてはこちらの記事にもっと詳しくまとめておきました。
マダニの天敵は「オオヤドリカニムシ」だけ?その他に天敵はいないの?
森林総合研究所が発見した、マダニの天敵は「オオヤドリカニムシ」という事でしたが…
そもそも、マダニの天敵となる生物は、オオヤドリカニムシ以外にはいるのでしょうか?
あき坊もこのことが気になったため、詳しく調べてみました。
すると…、カニムシ以外にもマダニの天敵となる生き物はいました、しかも僕たちの身近に!
それが、「ハエトリグモクモ」です。

家に住み着いているクモの中では、あき坊が一番よく見かけるクモの種類、そして何よりかわいいです。
大きな体はしていなくて、わりとコンパクト、しかも、動きがメチャクチャ早い。
ピョンピョンと飛ぶこともありますし、それに噛むことだってあるんですよ。
実際、あき坊、「クモは噛まないだろう」と生まれてからずっと思っていたんですけど、ある時、何かの拍子にクモに触ると、ガブッと噛まれました。
一瞬、「スパイダーマンになったかも」なんて思ったりもしましたけど、ただ単に痛いだけで、残念ながら何も変化はありませんでした(笑)
話がそれちゃいましたけが、マダニの天敵には「クモ」もいるわけなのです。
個人的には、クモのほうがオオヤドリカニムシよりも、捕食能力的には、優れていると思いますね。
人間への害や毒性が気になる!マダニの天敵「オオヤドリカニムシ」は良いやつなのか?
オオヤドリカニムシが「マダニの天敵」という事は分かりましたが、実際、僕たち人間への害や毒性はどうなのか気になりますよね。
結論からいうと、オオヤドリカニムシは人間には無害な生き物です!
ただ、毒性に関しては、少しだけ毒を持っているようです。
しかし、ホントに少しなので、人の体には影響ありません。
見るからに、サソリのように猛毒を持っていそうな、オオヤドリカニムシですけど、人を襲うこともないため安心です。
万が一、カニムシに噛まれたときは、噛まれた痛さや痒さもないみたいです。
ま、あき坊(ぼぅ)自身はカニムシに噛まれた経験はないので、「ホントなのかな」って少し疑問はありますけどね…(苦笑)
安全なのはやはり、もし身の回りで発見したとしても、慌てず驚かず、触れずにそっとしておくのが一番かと。
人には害がなく、けど、厄介なマダニを捕食してくれる。
まさに「救世主」と言ったところでしょうか(笑)
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マダニの天敵「オオヤドリカニムシ」の生息地は?
特徴的な大きなハサミを持った「オオヤドリカニムシ」の生息地としては、主に土の中。
具体的には、ネズミやマルハナバチの巣が生息地になります。
巣の中で一緒に生活し、小動物が移動するときに、体につかまり、オオヤドリカニムシも移動を行うようで。
他の種類のカニムシの中には、土に限らず、海辺や海岸の岩の隙間、森、石の下を生息地としているものもいます。
カニムシ全体で見ると、かなり生息場所は幅が広いですね。
どうしても「カニムシを発見したい!」と思うのであれば、森の土の中を探してみるといいと思います。
その際は、体にマダニが付いてしまわないよう、ラフな格好ではなく、対策をしっかりとした服装で散策を行いましょう。
「マダニに噛まれた…」なんて事になったら、元も子もありませんから(笑)
世界や日本にはマダニの天敵「カニムシ」は何種類がいるの?
今回、森林総合研究所が発見した、マダニの天敵は「オオヤドリカニムシ」でした。
しかし、「カニムシ」という生き物のくくりで見てみると、その種類は凄いことになるんです。
世界中のカニムシの種類を合わせると、驚く事に、およそ3300種が存在しているのですから!
3300種のうち、日本に在来しているのは70種類ほど。
マダニの天敵として発見されたオオヤドリカニムシも、その中の一種類に含まれています。
残りの69種類すべてを紹介するわけにもいきませんから、代表的なカニムシのみを紹介すると、
- メクラツチカニムシ
→体長0.8~1.2㎜、ブナの森で多く見つかる
- カギカニムシ
→森林の土の中に好んで住む
- イソカニムシ
→体長2.5㎜、熱帯や亜熱帯の海岸に多い、夜行性
- ドゲヤドリカニムシ
→体長2㎜、スギやヒノキなどの乾燥した樹皮の下が生息地
- テナガカニムシ
→世界最大の大きさ(7㎜以上~)
など…、それぞれに他と違う特徴を持って存在しています。
こう見ると、触りたくないルックスをしている「カニムシ」でも、「少し触ってみたいな」という興味が湧いてきませんか。
あき坊は、ちょっとだけ湧いてます^^
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マダニの天敵オオヤドリカニムシのまとめ
カニのような大きなハサミと、サソリのような見た目をしていて、明らかに毒を持っている雰囲気の「オオヤドリカニムシ」。
人間には害がない上に、厄介なマダニも食べてくれる、ホントに「ありがとう」の言葉しかない生き物です。
今回は「マダニの天敵」という事が分かっただけの段階ですから、詳しく研究を進めていくと、マダニが媒介する感染症へのリスクも減らせるかもしれませんね。
あき坊の予想なんですが、もしかすると今後、天敵の「オオヤドリカニムシ」を人工繁殖させて、マダニ退治のために、自然に放すプロジェクトが開始されたりして。
その対策を行えば、確実にマダニ媒介の感染症のリスクは少なくなるはず。
しかし、一方で、「もともとの生態系が壊れる」といった問題も出てくるので、慎重に対応していくことが求められます。
人間の利益のために、自然のバランスを破壊してしまうと…、なんて事にはならないでほしいものです。
マダニとオオヤドリカニムシ、それに人間が、お互いのデメリットをカバーし合える存在となれば、必ず問題も解決できると思います。
カニムシについてはこちらの記事に詳しくまとめましたので、参考にどうぞ^^
これからの季節、キャンプやバーベキューなどのアウトドア、屋外でのイベントが多くなるため、マダニには十分注意してくださいね。
合わせて、身近な厄介者「蚊」への対策も万全に!
こちらの記事は「蚊」について詳しくまとめているので、良かったら参考にしてください。