徐々に気温が高くなるこの季節、キャンプやハイキング・釣りなどのアウトドアが楽しくなってきますよね。
わくわくが止まらない夢のような時間が過ごせる時期ですけど、それと同時に「蚊(か)」の存在も気になり始めませんか?

不思議なことに蚊は、人が楽しむ場所には「必ず」と言っていいほど現れ、地味な嫌がらせをしてから姿を消す生き物。
知らない間に「チクッ」と刺して、いつの間にか赤く腫れ、気付いたときにはもういない…
そんな体験を誰もが一度は経験していると思うんです。
そこで今回は思いっきりアウトドアが楽しめるよう、日本にいる身近な蚊の種類6つと刺されないための5つの対策を紹介していきます。
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この記事の目次
世界には全部で蚊は何種類いるの?日本ではどうなの?
蚊の中には病気を持っているものもいて、刺されると命に危険がある場合も考えられます。
そんな蚊ですけど、そもそも、どのくらいの種類が存在しているのか知っていますか?
実は世界規模で見てみると、その種類はなんと「約3000種類」もいると言われています!
日本の場合はというと、約3000種類のうち「約100種類」が国内に存在しています。
世界規模で見た後に日本を見てしまうと、蚊の種類についても少なく感じるかと思いますが、もう一度しっかり見てみてください。
100種類ですよ!自分の周りには今日も100種類の蚊が飛び回っている、なんて想像しただけでゾッとしませんか?
それぞれに違った個性を持っていて、見た目や習性・刺されたときのリスクまでもが異なるほどの多様な種、それが「蚊」なのですね。
ここからは100種類すべてを紹介していく訳には行きませんから、日本国内でも特に見かけることが多い6種類の蚊を紹介していきます。
ヒトスジシマカ

目撃頻度 | ★★★★★ |
見た目の特徴や体色 | 白色と黒色の縞模様が特徴的で、背中の部分に白い縦筋が一本ある |
体長(体の大きさ) | 約4.5㎜ |
日本での生息範囲 | 東北地方の宮城県付近よりも南の部分で見られる |
主な生息場所 | 直接太陽の光が当たらなくて、水がある場所 |
行動の時間帯 | 昼間(特に朝と夕)に活発になる |
多く目撃される時期 | 3月~10月(中でも特に7~8月が最も多い) |
刺されたときの症状 | 痒み、腫れ |
媒介する病気 | デング熱ウイルス、バンクロフト糸状虫 |
「ヒトスジシマカ」は日本で最も代表的なヤブカの種類のひとつで、普段の生活の中でもかなり目撃頻度が多い蚊です。
一般的な「蚊」と言えば、産卵を控えたメスが吸血を行いますが、ヒトスジシマカの場合、オスの蚊も子孫を残すために吸血を行うという独特の習性があります。
一生のうちで行動する範囲がかなり狭い蚊ですので、刺された場所からそう遠くない所にヒトスジシマカの住みかがあるはずです。
住みかを見つけて、無くすことが一番の対策となります。
アカイエカ
目撃頻度 | ★★★★★ |
見た目の特徴や体色 | 体全体が茶褐色をしていて、お腹と背中の部分に黄色の縞模様がある |
体長(体の大きさ) | 約5.5㎜ |
日本での生息範囲 | 小笠原諸島や南西諸島などの南側にある島を除く、日本のすべての場所で見られる |
主な生息場所 | 下水溝などの水が溜まりっぱなしになった場所 |
行動の時間帯 | 夜間(特に朝6時と夜8時)が活発になる |
多く目撃される時期 | 3月~11月(中でも特に6月~9月が最も多い) |
刺されたときの症状 | 痒み、腫れ |
媒介する病気 | バンクロフト糸状虫 |
「アカイエカ」は蚊の中でも、僕たちとかなり身近な存在の種類です。
春から秋にかけて頻繁に目撃するようになる蚊ですけど、暑さのピークである真夏(盛夏)になると、その数は一度減少傾向にあります。
夜に活発に行動する「夜行性」の生き物のため、みんなが寝静まった後に吸血を行います。
もしかすると、寝苦しい夜に耳の横で「プ~ン」と音がしたときはアカイエカかもしれません(笑)
チカイエカ
目撃頻度 | ★★★★★ |
見た目の特徴や体色 | ほとんど「アカイエカ」と同じ見た目で、茶褐色でお腹と背中に黄色の縞模様がある |
体長(体の大きさ) | 約5.5㎜ |
日本での生息範囲 | 本州・四国・九州のすべてで見られる |
主な生息場所 | 都会ほど多く、地下水槽や地下鉄の駅内に生息 |
行動の時間帯 | 夜間 |
多く目撃される時期 | 基本1年中(特に3月~5月、9月~11月) |
刺されたときの症状 | 痒み、腫れ |
媒介する病気 | バンクロフト糸状虫、ウェストナイルウィルス |
「チカイエカ」の見た目は、ほぼアカイエカと同じで、見た目では見分けがつきません。
しかし、特徴の面で違いがあり、チカイエカの場合、「産卵の前に吸血しなくても1回だけ卵を産める」という事ができます。
人間にとっては本当にありがたいですけど、残念ながら2回目以降は吸血を行うようです(汗)
それから、チカイエカの成虫は冬でも冬眠することなく活動を続け、気温が高い日があると活発に動き回ります。冬でも蚊に刺されない対策は必要かと。
シナハマダラカ
目撃頻度 | ★★★★ |
見た目の特徴や体色 | 茶褐色をしていて、翅(はね)の部分には黒いまだら模様がある |
体長(体の大きさ) | 約5.5㎜ |
日本での生息範囲 | 日本すべてで見られる |
主な生息場所 | 田んぼや湿地などのあまり汚れていない水がある場所 |
行動の時間帯 | 夜間 |
多く目撃される時期 | 5月~9月 |
刺されたときの症状 | 腫れ、痒み |
媒介する病気 | 三日熱マラリア |
「シナハマダラカ」は他の種類の中と比べると、かなり上品な蚊です。
と言うのも、あまり汚れていない水がある所を好んで生息場所にしているから。
また、シナハマダラカの面白い特徴として、止まっている時は尾の部分を高く上げ、逆立ちしているような姿になります。
上品な一面がある一方で、少し変わった特徴を持った蚊です。
トウゴウヤブカ
目撃頻度 | ★★★★ |
見た目の特徴や体色 | 黒っぽい色をしていて、あごの部分に白い線が入っており、胸と背中の部分に黄白色の線が4本ある |
体長(体の大きさ) | 約6~11㎜ |
日本での生息範囲 | 岩手県と秋田県よりも南側の日本のすべてで見られる |
主な生息場所 | 海岸や森の中に多い |
行動の時間帯 | 昼間 |
多く目撃される時期 | |
刺されたときの症状 | 腫れ、痒み |
媒介する病気 | バンクロフト糸状虫、セタリア糸状虫 |
「トウゴウヤブカ」は他の種類よりもかなり大きな体をしているのが特徴的で、海辺で目撃することが多い蚊です。
この蚊の幼虫(ボウフラ)は、塩気の多い海の水の中でも生きていけるほど強い生命力を持っています。
大きな体をしているため、その分、刺されたときも腫れがひどくなることも十分に考えらえます。
海岸や森に遊びに行くときは必ず、地肌が見えないようにするなどの対策が欠かせません。
コガタアカイエカ
目撃頻度 | ★★★★ |
見た目の特徴や体色 | 暗い赤褐色としていて、お腹と背中の付け根の真ん中には大きな黄白色の線がある |
体長(体の大きさ) | 約4.5㎜ |
日本での生息範囲 | 本州の南、四国、九州を含む場所 |
主な生息場所 | 昼間は雑草や水のある所にひっそりと身を潜めている |
行動の時間帯 | 夜間(特に午後9時と午前2時が活発) |
多く目撃される時期 | 4月~9月(特に7月~8月) |
刺されたときの症状 | 腫れ、痒み |
媒介する病気 | 日本脳炎 |
「コガタアカイエカ」は先ほど紹介したアカイエカよりも体が少し小さく、黒っぽい体色をしているのが特徴です。
幼虫(ボウフラ)は水たまりや池、水田に多く、成虫になると夏から秋にかけてが最も活動が活発になります。
危険な病気「日本脳炎」を媒介している蚊の種類でもあるため、刺されないための対策が必要です。
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かゆみや腫れが大きい蚊の種類はどれ?
紹介した6種類の蚊が、日本で特に多く目撃されているものになります。
そのため、普段の生活の中でも出会う確率が高く、逆に言うと「刺される可能性も高い」という訳です。となると、心配になるのが「腫れやかゆみの度合い」。
この6種類の中であれば、一番かゆみや腫れが大きいのは「ヒトスジシマカ」になります。
刺されたところが大きく腫れたり、強烈なかゆみに襲われることもあるのですよ!
実際、あき坊(ぼぅ)も何度もこの蚊に刺された経験があって、5回中1回くらいの確率できちんと薬を塗っても治らないときがあります。
ちなみにこれが「ヒトスジシマカ」に刺された腕の写真です。この時は運よく、そんなに悪化しませんでした^^

この蚊、刺される瞬間に注射針で刺されるような「チクッ」とした痛みがあり、意識してなくても気づいてしまうレベル。
日本に多い蚊ですから、仕方ないことではありますけど、可能であれば刺されたくないはですね(笑)
ヒトスジシマカの次に腫れやかゆみが大きいのは、「アカイエカ」や「チカイエカ」です。
ヒトスジシマカよりかは症状の悪化は少ないですけど、それでもやはり、腫れやかゆみはありますね。刺されないための対策は必要になるでしょう。
それから、刺されたことはありませんが、「トウゴウヤブカ」、この蚊は危険な香りがします。
体自体が他の蚊よりも桁違いに大きいですから、刺されれば相当な毒を入れてくるはずです。
海辺や森のアウトドアではこの蚊に刺されないよう注意してくださいね!
蚊にも刺さない種類のものがいるってホント!?
「蚊」と言えば、一般的には「刺す」が当たり前ですよね。
それなら、種類としては「刺さない蚊」というのはいるのでしょうか?
実は、刺さない蚊はホントにいます!
そういう種類の蚊もいるみたいですけど、ここで紹介するのはそれとはまた違ったもので。
「刺さない蚊」というのは、
- 性別がオスの蚊
- 産卵をしていない時期の蚊
この2つがあります。
基本、人間に吸血をしかけてくるのは、これから子孫を残さないといけない「産卵前のメス」。
産卵の時にはたくさんの栄養が必要となってくため、栄養豊富な動物の血液が最適なのですよ。
つまり、産卵前のメス以外であれば、人間を刺してくる可能性は低いと考えることができます。

もちろん、オスでもメスでも吸血する蚊がいたり、産卵前でなくても吸血する蚊もいますけどね(笑)
基本は「刺さない蚊」というのは、オスや産卵をしていない時期のメスです。
「茶色」と「黒色」の蚊の違いは?種類で分かれているの?
あまり気付かないかもしれませんが…
蚊にも体の色が「茶色」と「黒色」の2種類のものがいる事を知ってましたか?
「知っている!」と感じたのであれば、この2種類の違って分かります?
正直、そんなこと気にも留めなかったという方がほとんどだと思いますけど、ちゃんと違いはあるんですよ。
「茶色の蚊」と言うのは、その多くが夜間に活発に行動し、水が溜まっている場所に生息しています。
それから、マラリヤやバンクロフト糸状虫などの病気を媒介していることが多いと言われています。
逆に、「黒色の蚊」は強いかゆみと腫れに襲われる「ヤブカ」の種類に多く、活動時間が「昼間」という共通点もありました。
また、この蚊の場合、水があるところであればどこでも”ふ化”をしてしまう生命力もあります。
これが「茶色」と「黒色」、2種類の蚊の違いです!
今回紹介した6種類の蚊を色で分けてみると…
茶色は、
- アカイエカ
- チカイエカ
- シナハマダラカ
- コガタアカイエカ
黒色は、
- ヒトスジシマカ
- トウゴウヤブカ
このようになってて、きちんと違い通りに分かれていました。
「ウソ」だと思ったら、一度、自分の目で紹介した内容を確かめてみるといいかもです^^
一番大きい蚊の種類は?逆に、一番小さいのは?
それから最後に、今日本で生息している蚊の中で、一番大きい蚊と逆に一番小さい蚊の種類を紹介していきたいと思います。
まずは大きい蚊からですけど、これは間違いなく「ガガンボ」ですね。
ガガンボは別名で「大蚊」と呼ばれていて、その名の通り、体長が30㎜くらいになるものもいて、普通の蚊と桁違いの大きさをしています。こんな蚊です↓

紹介したトウゴウヤブカも割と大きなほうですけど、それよりもふたまわり大きいです。
見た目は一般的な蚊をそのまま巨大化したような格好をしていますが、蚊と違って他の動物に吸血は行いません。
人間を襲うこともなく、刺される心配もしれませんから、「蚊」の種類としてはかなり優秀です(笑)
ただ、体の大きさが30㎜くらいあるので、最初に出会ったときは「これ、ホントに蚊なの?」と思うはず^^
見た目が怖いだけで、無害な生き物ですから安心してくださいね。
ちなみに、あき坊(ぼぅ)は昨日、お風呂場でこの蚊に出会いました(汗)
逆に一番小さい蚊はというと、おそらく「コガタアカイエカ」かと思われます。
体長が「約4.5㎜」と紹介した6種類の中で最も小さく、ガガンボと比べるとたったの「7分の1」くらいの大きさしかありません。
体は小さいコガタアカイエカですけど、刺されると腫れやかゆみを引き起こし、日本脳炎も媒介している蚊ですから、甘く見たらダメ。
あき坊(ぼぅ)の経験からいくと、「小さい蚊ほど気を付けろ!」と勝手に肝に銘じています。
一番大きいのは「ガガンボ」で、小さい蚊は「コガタアカイエカ」です!
蚊に刺されないために行う対策はこの5つ!
ここまで、日本に多い蚊の種類6つを詳しく見ていきました。
どの蚊を見ても思ったことはただひとつ、「何がともあれとにかく蚊には刺されたくない!」という事です。
というわけで、ここからは蚊に刺されないための対策を5つ紹介していきますね。
- スプレーを使って直接蚊を退治する
一番イメージしやすい対策ですけど、蚊を退治するスプレーを使って根本からやっつけていきます。
退治用のスプレーはホームセンターやドラッグストアなどで普通に手に入るものが多く、その効き目は抜群です!
しかし、小さい子供や赤ちゃん・ペットがいる家庭には、体への影響を考えて、退治用のスプレーは不向きと言えるでしょう。
- 虫よけスプレーで蚊を寄せ付けないようにする
蚊を退治するスプレーだと、どうしても蚊が寄ってきたときに行動を始めないといけないので、広範囲かつ当たらない事のほうが多くなってしまいます。
ですが、自分の体に虫よけスプレーを付けて置くことで、そもそも蚊が寄ってくる頻度が少なくなります。これほど楽な対策はないかと思います^^
虫よけスプレーを吹き付けるときは、目や口などに付かないよう注意しながら使用してくださいね。
- 上手に扇風機を利用する
一般的な蚊の種類の大きさは、大きくてもせいぜい「5~10㎜」くらい。
そのため、人間にとっては心地の良い風の「扇風機」であっても、蚊にとっては飛ぶことさえ難しい状況を作ることができます。
座っているときに、直接体に扇風機の風が当たるようにしておけば、蚊もあなたに近寄れませんよ^^
扇風機の「風」を上手に利用して、蚊に刺されないための対策をしてみてください。
- 薄めの色をした服を着用する
蚊が寄って来る理由のひとつに「黒色を好んでいるから」があります。
その蚊の習性を利用して、黒色とは真反対の「白」、つまり白に近い「薄い系の色」の服を身に付けることで蚊を寄せ付けにくくできます。
黒は太陽の光を吸収しやすい色でもあるため、暑さ対策を兼ね、薄い色の服を着用することをおすすめします。
- しっかり戸を閉める
蚊に刺されないためにも、まずは「しっかり戸を閉める」のを徹底しましょう。
小さい蚊の種類だと、ほんの少しの隙間からでも家やテントの中に侵入しますからね。
出入りをする時は確実に戸を閉めたことを確認してから、次の行動をとるようにしてください。
戸を閉めることと合わせて、出入りも出来るだけ早く行うようにするといいかと。
蚊に刺されないようにするための、さらに詳しい対策はこちらの記事にまとめています。参考にご覧ください^^
蚊の種類と対策のまとめ
世界には約3000種類もの蚊が存在していますが、日本にはそのうちの約100種類が僕たちの周りを飛び回っています。
その中でも特に頻繁に目する蚊としては、
- ヒトスジシマカ
- アカイエカ
- チカイエカ
- シナハマダラカ
- トウゴウヤブカ
- コガタアカイエカ
この6種類がいて、刺されないための対策には、
- スプレーを使って直接蚊を退治する
- 虫よけスプレーで蚊を寄せ付けないようにする
- 上手に扇風機を利用する
- 薄めの色をした服を着用する
- しっかり戸を閉める
このような事がありました。
暑くなるとアウトドアが楽しみになる季節ですけど、刺されたらテンションが下がる「蚊」への対策はきちんと。そして、思う存分にはしゃぎまくりましょう!
身近にいる蚊から、自分に身は自分で守れるようになってくださいね。
それが、あき坊(ぼぅ)のこの記事の中で一番伝えたかったことですから^^
■「蚊」に関する記事をまとめてみました